この計画は、漁協の水揚げ場と管理事務所だった施設を、「大磯町みなとオアシスエリア」の中核施設として再整備するもので、施設整備というハード面だけではなく、漁業従事者との連携など、ソフト面での周囲との連携・協働が重要と考えました。既存施設を、新設した物販施設や飲食施設と一体的に利用できるようなプログラムとし、施設利用者と港湾利用者の積極的な交流の場となるように整備しています。
施設のデザインは、外部空間を積極的に取り込み、港を臨む景観を存分に活かすべく、海へと抜ける視線を重視した構成としました。一階には歩道を取り込んだ外部滞留スペースからつながる開放的なマルシェを配置し、二階には水揚場屋根に続くルーフテラスを持つカフェレストランを配置しています。港の風景を楽しみながら、ゆったりとした時間を楽しむことができるこれらのスペースは、多世代にわたる観光や地元の人々が集う海辺のプラットフォームとなるよう、港との一体感を強調するつくりによって、大磯らしさや漁港らしさを表現しています。
所在地 | 神奈川県中郡大磯町 |
共同設計 | プランツアソシエイツ、小笠原設計横浜事務所 |
構造設計 | KAP |
設備設計 | 森村設計 |
施工 | 匠建設 |
竣工 | 2021年 |
photo by Tomohiro Sakashita